伝説の国内釣り行脚

山形釣行6月5~14日

山形県珍道記

今回は、釣り行脚始まって以来のロングジャーニー。
10日間にも及ぶ、さすらいの旅は結構、疲れました・・

でも、多くの新しい発見、出会いは僕を一回り大きくしてくれました。

 

6月5日

旅に出てしまえば、暇なのですが、家に居る時の忙しいこと、忙しいこと。

とにかく時間が無い!
フライを作る時間は無いし、さすらい支度も不十分。

出発直前に入ってきた仕事を全力をもって片付けると、ヨロヨロしながら出発・・
と行きたかったのですが、なんと庭の毛虫に刺されてしまい、ロスタイム。口元から首筋にかけてブツブツがいっぱい。

幸先悪いなあ・・

 

夕方の5時に静岡発。
下道を走り、神奈川へ。途中、厚木で用事があったので立ち寄ります。

夜9時に米沢へ向けて出発!
あ~忙しい。

 

さすらいのフライロッダーは、極力有料道路を使いません。
これは、僕のポリシーでもあるのですが、収入が殆ど無いが、時間はたっぷりある現在、高速道路を使うなんざ、贅沢もいいところなのです。

とにかく、ひた走ります。

東京、埼玉は下道を走ると、仮眠を取れる所が非常に少なく、しかも渋滞しやすいので、夜間一気に駆け抜ける必要があります。

なので、一気に北上。

毛虫の腫れも引き、ようやく気分良く運転ができるようになりました。

猪苗代湖を過ぎた辺りまで走り、ダウン。
コンビニの広い駐車所の片隅に駐車し、おやすみなさい・・
日付は変わり、明け方です。

 

6月6日

2時間ほど仮眠を取ると、強い日差しで目がしょぼしょぼします。

あ~もうひと頑張りだぞ。
途中、小休止を取りながら、ようやく山形へ突入。
午前9時頃だったでしょうか。

コンビニでリポDを買おうと、店内へ。
出てくると、車に道路工事のおじさんたちが車に群がってます。

どうしたのだろう?

おじさん:「へえ~、湘南ナンバーって初めて見たよ~。」
:「千葉から、旅してきたのかー」

車に積んだたくさんの荷物を見ての言葉でした。

でもね、おじさん。
湘南は、神奈川ですぜ。
海のイメージで千葉って思ったのかな?

 

さあ、米沢だ!
疲れた体にムチを打って渓流へ。

 

まずは、最上川水系の天王川へ。
砂利の林道を抜けて、ガタゴトと進んでいきます。

入渓点が分りましぇ~ん。
適当に頃合を見て、車を停めてしまい、まあ何とかなるでしょうとウエダーを履いちゃいました。

 


ところが、真下にはゴルジュ。
でも、他へ行くのもめんどくさい。
木登り得意だし、え~い降りてしまえ!

スパイダーマン並みにシャカシャカ降りきりました!

しっかし、釣れない。
と言うより、透明度が高すぎて、竿をを動かしただけで10m先のイワナまで逃げてしまう。

泣く泣く、もと来た道を引き返しました。
次は、近くにある刈安川へ!

 


今回は、入渓の楽な赤浜集落より。
水は少ないですが、イワナがたくさん泳いでいます。

とりあえず、最大で20cmほどの「尺イワナユース」をネットに収め、さらに奥地へ。

 


おおっ!いかにも大物がいますっていうポイントだ。

しかし、無反応続き。

しかし、最後に投げた最奥部。

 

尺など軽く越えてしまうようなイワナがゆら~り。
思わず、お手てが震えます。

しかし、口を使うには至らず。

 


イワナは小さいのが殆どでしたが、ヤマメはなかなかのサイズ、ナイスバディーであったので思わず笑みがこぼれます。

ぐふぇふぇふぇ・・

 

気付けば、随分と奥に入ってきてしまいました。
そろそろ、戻らんと熊に遭っちゃうな・・

安全なイブニングの場所を探すために車へと戻ったのでした。

 

大樽川へ。


ちょっと電線の影が入ってしまいましたが・・
左岸側(上流に向かって右ですよん、念のため)の方が、水量があったので、そちらへ。

 


平均は、これぐらいでした。
魚体は本当に綺麗でしたよ。
パーフェクトです。

死ぬほど、ライズしており、何を投げてもヒットしました。
イブニングを満喫し、そろそろ寝床を・・

 

実は、翌日、ニュージーランドの現役プロフェッショナルガイドである馬部さんと合流予定。

現在、オフシーズンなので、日本に帰省されているわけです。

明朝、米沢駅まで迎えに行く予定なので、町に近い所で野宿しましょ。
市内にある緑地公園へ。

 


相変わらず、寂しい一人の食事です。
おかずも寂しいことになってます。

この日は、ラーメンと餅。
ビール。

 

6月7日


この時は、早朝です。
この広い駐車場が、数時間後には通勤車両で満車となり、怪しいさすらいカーは、注目の的でした。

どうせ、怪しく映るなら、より一層謎めいたことをしてやれということで、車の脇でタイイングを始めてやりました。

ハックルケープを持って、真剣な顔をして作業をしていると、怪しさ爆発!警察を呼ばれなかったのが、不思議なくらいです。

 

 

馬部さんと合流!
ニュージーランドにはバスがおらず、他でもない馬部さんの希望ということで、一路、桧原湖へ。

しかし、この湖が馬鹿でかいこと。
ポイントなんざ、バス釣りをしない僕にはさっぱり分りません。

仲良く釣りをしているカップルに尋ねると、小野川湖が良いとのこと。
そちらへ向かうことにしました。

 


しかし、ここもどこで竿を出してよいか分かりません。

路駐の数を見て、適当に車を停めると、そこには、小野川湖に流れ込む川がありました。

小さな魚がたくさん泳いでます。
底には、二ゴイの姿も!

 

魚が見えると、無性に釣りをしたくなるのが、釣り人というもの。
雑魚でもいいや。

 


僕のファーストフィッシュは、ハヤ。
ミッジに飛びついてきました。

 

馬部さ~ん、釣れましたよ~と言いに行くと・・

 


なんと、いきなり本命を釣っていました。

「たくさんいるよ~」

さすがプロ。
とにかく釣る!

僕も負けずに竿を振りました。

 

しばらくすると、偶然にも僕の足元に群れがやってきまして、こうなると入れ食い。

上の写真サイズですが、死ぬほど釣れました。

フライは、何でもOKで、動いていさえすれば、すぐヒットです。

 

馬部さんは、何やら狙っています。
すると、突然に竿が曲がり、大騒ぎ!


何やら大きな魚がヒット!

 


なんとベタ底にいた二ゴイ!

僕は、最初から動かない二ゴイは釣れないものだとおもっていましたので、驚きです。
サイトでニンフィングだそうです。

NZならではの馬部さん得意の戦法ですね!

 


イブニングに入る直前、今まで静かだった岸近くですんごいライズ。

間違いなく、40cm以上のスモールでしょう!慌ててウエダーを履き、現地へ向かいます。

 

しかし、正体はコイ。
でも、シンキングでトレースをした馬部さんには27cmほどの本日最大サイズがヒット。

 


結構、立派でしょ。
フライロッドでやると、メチャンコ引きますので、面白いです。

バスにハマる人の気持ちが少し分りました。
特にスモールマウスは、ラージよりも強いので。

 

日没まで、ランカーを狙いましたが、結局ちびっこのみ。


でも、カゲロウにライズするバスをドライで狙うのは、結構面白いです。
たくさん釣れるし。

 

さあ、さすらい仲間の小林君が待っている寒河江川を目指します。
途中、少し遠回りをして喜多方ラーメンを食べ、再出発。

度か迷い、寒河江川の伝承館前に到着したのは、深夜1時。
空には、今までで一番の星空が輝いていました。

ただ、気温は低く、フリースを着ていても震える始末。
急いでテントを張って、深い眠りにつきました。

おやすみなさい。

 

6月8日

おはようございます。

昨夜の疲れによって昼間で爆睡か?と思っていましたが、川の匂いで自然と目が覚めました。
釣り馬鹿なのですねえ。

 


まあ、のんびりしましょ。

来る前は、早く釣りたいと思ってましたが、この伝承館前の無料キャンプ場で休んでいると、ついついのんびりしてしまいがちです。

恐るべし、寒河江マジック。

 

まあ、入漁券を購入し、重い腰を上げて、支度を済ませて川へ向かいます。
風は殆ど無く、穏やかな朝でした。

車の後ろにあるのは、学生時代から愛用している2980円のファミリーテント。

こんなでかいテントを担いで、北海道をはじめ、各地をバイクツーリングした過去があります。

あの時は、もっと馬鹿だったなあ・・

 


重いニンフで激流を制した小林君は、見事な魚を仕留めました。

50cm近い綺麗な魚体でした。

ニンフ慣れしている馬部さんは、さすが。
いとも簡単に同じくらいのニジマスを釣ってました。

 


僕は、ついついドライフライに固執し、釣れるのは小さいイワナ、ニジマス。

でも、沈めないと大物は出ないようです。
仕方が無い、沈めるか。

 

#5のフローティングラインにタイプⅢのシンキングリーダーを取り付け、3Xのティペットに重いニンフを結びました。

これならガンガン瀬の底へ送り込めます。

 

川の流れはとても強く、立ち位置上、ダウンでニンフを送ることになりました。

しかし、ダウンでのニンフィングは、当たりが取りにくいので、方法としては良いものではありません。

やはり、大物の当たりは非常に取りにくかったです。

 

もぞっ?
軽くきき合わせをすると・・

ごりりっ!
という感触があるではないですか!

よし来た!確実にフッキングをするためにもう一度軽く竿をあおります。

確実に乗りました。

 

物凄い抵抗が竿を通して、手元に伝わります。
ラインは水面へと引き込まれていきます。

しかし、突然軽くなり、バラシ・・えっ、何で?

フライをたぐると・・
なんとフックが折れている!!!!!!!!

こんなの初めての体験です。

今まではTMCフックのみを使用していたのですが、たまたま今回だけ違うメーカーさんのフックを使っており、それが仇になったようです。

う~ん、これからはTMCフックだけを使おう・・

 

悲しみに打ちひしがれるまもなく、激流向こうにある弛みでライズを発見。

慌ててドライシステムに変更し、#12のエルクヘアカディスを結びました。

ドラッグが掛かってしまったら、フラッタリングさせるつもりで、このフライを選択したのです。

 

何度目かのチャレンジで、ついに魚が反応しました。
しかし、瞬間的にドラッグが掛かってしまったようで、痛恨のミス。よし、もう一度だ!

ロールピックアップをしようと、竿を寄せると・・

 

何だか変です。

 

あれっ?
竿先が無い。(この竿は4PCです)

見ると、目の前の激流に浮かんでいます。
まあ、大きなフライが付いているし、流されないだろう・・

安心して、のんびりと回収をしようとすると、手元に来るはずの竿先が、帰ってきません。

あれっ?

そのまま、凄い勢いで激流に乗って旅立っていきました。

なんと知らない内にフライが取れてしまっており、そのままサヨナラとなってしまったわけです。

くっそ~。
無くしてしまったものは、仕方が無い。
でも、川にゴミを捨ててしまったことになってしまいます。

すいません。

 

肩を落とした僕は、車に戻ることにしました。
そういえば、急に風が強くなってきて、今は突風なんぞが吹き荒れております。

テントが心配だ・・急いで戻ろう!

 

車に戻ってくると、家であるテントが見えません。

おかしいなあ・・どこにいったのだろう?

すると、近くでテントを張っていたおじさまが、「さっき飛んで行ったよ」と教えてくださいました。

慌てて、川を見ると・・

 

 

 

 


ありえねえ・・。

 

 

写真で見ると、大した水流には見えませんが、なんのなんの、これが凄いパワー。

こんな大きな物を川に流したら、相当ヒンシュクです。
竿先どころの話ではありません。

慌てて、自分も流されそうになりながら、テント救出に向かいました。

馬部さんにも手伝ってもらい、何とか無事に救出完了。
すいません、馬部さん。
ゲストなのに。

 


とりあえず、釣りは中断。
中身をすべて干しました。

テントの入り口についている虫除けネットには、大量の川虫がシャカシャカ動き回っております。

川虫、大量入荷ってな感じです。

みなさん、ご迷惑をおかけしました。
でも、天気が良くってよかった~。

 


折れ曲がったポール、破れたシート・・
愛着のあったテントは満身創痍です。

おいたわしや・・

今夜も、このテントで寝なければなりません。
絶対に飛ばないように多くの石に縛りつけまくりました。

 


大変な一日でした。

せめて飯だけでも、美味しいものを!
すんごい、贅沢するぞ~。

なんと缶詰を3つも開けて、味噌汁も作って、おまけにビール。

みんなで今日の出来事を肴にして笑い飛ばしました。

 


がっはっは!
男達はたくましいのです。
どんな逆境にも負けないのです!

これで、また一皮むけたぜ!

 

今夜は、星が無いのが残念でしたが、まあ雨が降らないだけマシです。

これで雨が降ってしまうと、目も当てられません。

 

小林君は、車へ。
僕と馬部さんは、テントに入って、眠りに落ちました。

今夜は寒くなく、快適です。
しかし、2時間後・・

 

大雨、豪雨、土砂降り。

 

もう踏んだり蹴ったりです。
僕が寝ている側は、雨漏りがひどく、夜中に一人で大苦戦。

キャンプの鉄則として、シュラフは濡らしてはいけません。

少年時代のボーイスカウト時代から教え込まれてきました。

結局、雨が落着く朝方まで眠れず、睡眠不足のまま、辛い朝を迎えました。

 

6月9日

おはようございます。
今朝は、最悪の目覚めです。

本当にツイてない。
寒河江に来てから、ロクなことが無い。

寒河江なんか嫌いだーって心の中で叫んでました。

 

でも、まだ大物を釣り上げていない。
もう一日だけ、寒河江でやろう・・。

今日は、日曜日。
伝承館前は込み始めているので、上流へ向かうことにしました。

 


C&R区間の上流部です。
川の横にある砂地に熊の足跡がありました。
怖え~。

 


馬部さんに教えてもらったダブルニンフで小林君は早速、イワナを手にしました。

その他、彼はヤマメも釣っていました。

僕は、ニンフ用の高番手を流してしまったので、通常のドライタックルでポイントを細かく分けて何とかドライフライでイワナを1匹釣りました。

水温は約8度。
雪代が、若干流入しているようです。

上流部は、ハッチも無く、芳しくなかったので、伝承館に戻ることにしました。

戻って、まったりとしていますと、眠くなってきます。
寒河江マジック恐るべし。

どうも精神的にも肉体的にも疲労が募り、釣る気になりません。
温泉にでも行ってこよう。

馬部さんと一緒に銘水館という所へ行って来ました。
入浴料は確か、200円だったと覚えています。

テントに戻ると、ついつい昼寝。
イブニングに備えてZZZ・・

さあ、3時半です。
マダラのハッチも始まる時間。

起きてウエダーを履くと、今度こそ!と勇んで川へと向かいました。
プールでライズを待ちます。

 

しばらく待つと、予想通り、ライズがぽつり。

おっ、始まったな!

さあ投げようと思うと、待ってましたとばかり、突然ライズポイントの真上にある護岸上に人が走り、何とサンダル履きでライズを真上から攻めています。

そんな上から狙ったら大物は沈黙するでしょ。
やはり出るのはチビイワナ。
僕の他にも待っていた釣り人はブーイングです。

争いごとは嫌いなので、腹は立ちましたが、サンダルフィッシャーが入ってこれない上流のプールへ移動しました。

 


小林君の情報のおかげで、この場所でどんな魚がライズするかは十分知っています。

しかし、ここでは出ても30cm止まり。

分ってはいましたが、他はマナーを知らない釣り人と良識ある釣り人との混戦状態。

カリカリしながらよりも、ここは一人の釣りを楽しむこととします。

やはり、釣れたのは最大で30cmのニジマス。
小さい割りに引きは非常に強いので、結構楽しめました。

 

さあ、晩御飯。
しかし、今晩はいつもと違います。

なんと、今日はW杯がある日。
何としてでも、テレビを探しに行かなければなりません。

 

最初は朝日山の家で見せてもらうはずでしたが、宿泊客で賑わっており、お忙しそうだったので、寒河江の町まで繰り出すことに!

 

スタートは8時半。
ここから、我々による必死の捜索が始まりました。

町まで出るも、テレビを置いてあるような定食屋さんらしきものが見つかりません。
いつもは、簡単に見つかるのに・・なんで?

結局、もと来た道を戻るように走ると・・
小林君が発見!!

少し飲み屋さんチックでしたが、入り口にでかでかと「ワールドカップ 頑張れ日本!」と熱いメッセージが刻まれてます。

これは、間違いない。

勇んでドアを開けると・・

 

おばさんたちが、食卓を囲んで普通に団らんしてます。

あれっ?

「すいません、サッカー見ながら食事をしたいのですが・・」
「ごめんね、うちはカラオケ屋なの・・」

まぎらわしい、まぎらわしすぎるよ店構え・・
閉めたドアからおばさんたちの声が聞こえます。

 

へえ~、
今日サッカーなんだね~。

 

あんな看板を出しておいて、そりゃないよ~。

さあ、こうしちゃいられません。
キックオフまで残りわずか。

 

車を走らせていると・・

おっ!あった~。
ラーメン屋さんのテレビに稲本選手が映ってます。

車から飛び降りると、速攻でテーブルにつきました。
「すいませ~ん、ビールと餃子ください。」

いきなりラーメンを頼まずに、最初はビールから。
試合終了まで居座るつもりだからです。

試合は、非常に盛り上がり、そして日本は勝利!!

店のおじさんが、
「日本が勝ったから、店のおごりデ~ス」と、缶ビールをくださいました。

いや~、良い店に入って良かった。

 

残念ながら、翌朝、馬部さんは東京に帰ってしまいます。

天童駅まで送っていくので、今日は比較的駅に近い寝床を、ということで寒河江の道の駅で車中泊をしました。

おやすみなさい。

 

6月10日

馬部さんは、朝6時の新幹線で東京へ帰られました。

しかし、残った我々さすらい人の旅は続きます。

 

寒河江の道の駅でしばらくの間、ぼんやりしていました。
すると、前に停まっている車からおじさんが降りてきました。

まあ、ここまでは別に珍しくも何ともありません。
しかし、そこには・・!

 


なんと、オウムを肩にとまらせているではありませんか。

このオウムと会話ができるのか、おじさんは意味不明な声を発しています。

ぎゅえ~、ち~ち~。じ~ぱっぱ・・

 

オウムの奴もそれに応えるようにして鳴き始めました。

 

おえ~、ぎょふっ、おえ~。
をおうえ~・・

 

おい、オウム。言葉しゃべれよ。
「おえ~」は無いだろ?
芸を見せてくれ。

そして、おじさん。
頷いてるけど、間違いなく分ってねーだろ。

おじさんは得意げにこちらに視線を送ってきます。

なんか、すげえ悔しい。

 

対抗して小林君に芸をやらせてみようかと思いましたが、グーで殴られそうなので止めておきました。

まあ、そんな感じでこの日は一日中、まったりと過ごしました。
本当に、何となく一日を過ごしてしまいました・・

 

月山の道の駅にて

小林君は、用事があるようで、今夜でお別れです。

彼は、近日、渡米する予定でアメリカの鱒と遊ぶ予定のようです。

2週間のアメリカ釣行後は、就職活動するんだと話しています。

というわけで、これ以降、さすらいの世捨て人は僕一人になってしまうわけです。

春からよく一緒に釣りをした小林君との最後の夜。
今夜は思いっきり贅沢をしましょう。

 


なんと、ラーメン、ごはんを2パック、レトルトの親子丼の素、ビール。

贅沢の極みです。
お互いのこれからの前途を祝して乾杯!

 

6月11日

さて、今日はどこに行こうか?
とりあえず、近くの小渓流に行こうっと。

最近、寒河江が続いていたので、小河川が恋しくなったのです。

 


早田川です。
はっきり言って、メチャクチャ渋い川でした。
小林君は大きなイワナを釣ったようです。

 


何とか、僕も26cmのイワナを引っ張り出しましたが、その他は今ひとつ。

さっさと見切りをつけて、おさらばすることにしました。

 

ここで、小林君とお別れです。

彼は、帰り道がてら、寒河江で大イワナを釣るんだと張り切っていました。

後ほど、電話があり、実際に釣ったようです。
やるねえ~。

 

僕は、さらに遠くの土地を目指しました。
秋田県との県境近くにある月光川です。

月山湖より、大体70キロほど離れた川です。
昼間の下道をのんびりと走りました。

 

すると、庄内に入った辺りで雨。
それも結構、強く降っています。

こりゃ、いかんということで、本日は釣りは中止!
温泉入って、酒呑んで寝てしまえ!

まるで呑んだくれオヤジです。

 


今日の寝床は、道の駅鳥海。
日本海の潮騒が聞こえてきそうな場所に位置しています。

 

ここのところ、栄養が足らないようです。
爪の近くには、逆剥けが・・
視力も少し落ちてきました。

ここらで、まともな物を食べた方が良さそうです。

幸い、道の駅の真ん前にコンビニがあります。

 


栄養価の高そうな物を選ぶつもりが、ついつい「みちのく限定」というのに惹かれてしまい、手にしてしまいました。

それと、枝豆にビール。

 

う~ん、これじゃいつもと変わらんなあ~。

 

弁当は、ホタテも入っていて、結構おいしかったですよ。

釣りは、明日じゃ!と、今夜は一人寂しくビールを飲んで寝てしまいました。

おやすみなさい・・

 

6月12日

さあ、今日は気合を入れて釣るつもりです。

朝4時に起きました。
しかし・・大雨。

戦意はくじけ、小雨になるまで二度寝してしまいました。

 


上流部は、熊が怖いので下流にあるC&R区間に入りました。

月光川は、増水してかなりの水量です。
しかし、寒河江ほど強い水流ではありません。

 


最初はドライでやってみましたが、無反応。

そこで、ニンフの出番です。
馬部さんから教えていただいたダブルニンフが効果的でした。

すぐさま良型のヤマメをキャッチできました。

 


雨が止むと、フタスジモンカゲが飛び始め、単発のライズが始まりました。

大きな魚は、やはり人間を恐れて難しい場所で捕食しています。

一番大きなライズを狙って、キャスト。
ライズの主はヒレが完全回復した尺ニジマスでした。

こいつは、かなり強く、結構楽しめましたよ~。

フライは#12のピーコックボディーエルクヘアカディスでした。

 

さあ、イブニングをやるべえ・・
と藪を掻き分けて川に出ようとしたときです。

足元に巨大な熊のウンチを発見してしまったのです。

しかし、幸い乾燥しており、随分前の物のようです。
あ~良かった。

少しビビりながら、さらに前進。
すると、ほんのりと動物園の臭いがします。
瞬間的に凍りつきます。

この臭いは、間違いなく熊のものだからです。

近くにいる・・。
思わず、立ち止まってしまいます。

腰にぶら下げている熊除けスプレーに手を伸ばすと、神経を集中させて、熊の居場所に注意します。

ここで焦って逃げると、熊は本能的に襲い掛かってくるそうなので、恐怖と戦いながら茂みを睨みつけます。

右斜め前より低い唸り声が聞こえます。
明らかに犬ではありません。
間違いなく熊でしょう。

そのまま、ゆっくりと後ずさりをしました。

ゆっくり、ゆっくりと。

唸り声はすぐ消えましたが、あれは僕の空耳なのでしょうか?
でも、どのみち帰ってきて正解だったと思います。

このまま月光川で釣りをするのが怖くなってしまい、近くにある日向川に向かいました。

 


もうすでに夕方で上流部に入る度胸はありません。
安全な下流部を釣ることにしました。

しかし、何をやっても出てくるのは小さな魚のみ。

 


思い切って支流の前ノ川へ移動しました。
民家も周りにあるので、安心して釣れます。

 


いきなりでかいヤマメが釣れました。

沈み石の近くをフラッタリングさせると、一発。
このペースでイブニングは最高でした。

フライは、Pボディーエルクヘアカディス#12でした。

 

さあ、今日も無事に終わりました。生きていることを天に感謝すると、明日の釣り場を考えました。

この近辺を釣るのであれば、道の駅鳥海で寝る。

いやいや、寒河江でまだ50cmオーバーを上げていないじゃないか。
なので、寒河江でしょう・・
この場合、前に泊まったキャンプ場で寝る・・

 

寒河江は、きっちりと決着をつけたかったので、しばし悩んだ後に寒河江を選択。

今度こそ、絶対に釣ってやるぞ!
少々、眠くはありましたが、そのまま寒河江の伝承館前へ

伝承館には、平日にもかかわらず、キャンパーがいました。
あらあら、珍しいなあ。

帰り支度の釣り人と話していると、キャンパーの一人が声を掛けてくださいました。

「酒を呑んでますけど、一緒に混ざりませんか?」

ちょっと人恋しかったので、願ったりです。
「じゃー、お邪魔します」

 


彼らは、明日の日本を背負って立つ若者を育てる、高校の先生方でした。

学校の裏話など、多くの面白いお話を聞かせていただきました。

突然、お邪魔したにも関わらず、快く迎えてくださり、おかげさまで楽しい時間を過ごせました。

旅は、こういった出逢いがあるから楽しいです。

久し振りの肉・・うまかったなあ・・

 

先生方、ありがとうございました!
大変、忙しいことで、明日の早朝には仕事で学校へ向かわなければならないとか・・

先生って忙しいのですね。
本当にお疲れ様です。

それでは、おやすみなさい。

 

6月13日

おはようございます。
昨日のお酒があまりにも美味しかったので、朝の10時頃起きました。

入漁券を購入すると、さあ出陣です!

 


キャンプ場前にあるプールで中型イワナを手始めに釣り上げると、ダブルニンフを武器にガンガン瀬へ殴りこみです。

今度こそは必ず大きな魚を釣るつもりです。

 

執念が通じたのか、ここ数日でニンフの扱いに慣れてきたのか、好調です。

微妙なインジケーターの当たりをきっちりと拾い、確実に釣果を伸ばしていきました。

しかし、出るのは40cm弱のニジマスのみ。

 

今回はとにかくサイズにこだわっていたので、何としてでも50cmオーバーを釣りたかったのです。

しかし、出ない。
釣れるのは40弱のニジマス。

諦めかけていたその時、今まで沈黙していた浅瀬で大きなライズがありました。

でっかい頭が水面を割って飛沫が飛んでいます。

 

慎重に近づくと、ラインで水面を叩かないようにアプローチし、Pボディーエルクヘアカディス#12をライズポイントへ。

3秒経っても出ません・・

 

ピックアップしようか迷っていた瞬間、フライに襲い掛かりました!

最初に見える頭、背中、そして尾ビレ。
間違いなく50cm級です。

フッキングも無事に決まり、リールファイトの果てに上がってきたのは、50cmのニジマス。

 


残念ながら尾ビレは丸く、痩せていましたが、納得いった釣果に満足。

その時点で釣りを終え、今回の釣りはこれで終わりとなりました。

 

感無量です。

このまま、寒河江を毛嫌いして、竿を振らなければ、こんな充実感は味わえなかったでしょう。

リベンジを決めて良かった・・

僕の中で精神的に大きく成長できた釣りだったと思います。

 

さあ、ちょこっと昼寝をして、帰るか!

夜の7時まで仮眠を取り、そのまま一気に静岡を目指しました。

到着したのは、翌日の昼下がり。
下道は、本当に疲れます・・

 

おしまい。