今日は、珍しく朝からずっと天気が良いです。(11月中旬の昼下がり、牛乳を飲みながら)
いつもなら、必ず何の前触れもなく土砂降りになったりするのですが・・ああ、こんな日は釣りに行きたい・・・。
さあ、第6話です。
10月31日
今まで、自由に釣りを楽しんできましたが、そろそろガイドの自覚を持って釣りをしなければならない時期になりました。お客さんに説明できなかったらしょうがないですものね。
というわけで、本日は、馬部さんに実際に川で教えてもらうことになりました。
写真は、馬部さん。
重い流れをヒョイヒョイ歩いていきます。
トロッと見えますが、実際は凄く重いっす。
まずは、「魚を見つける」。
コツは、まず、どこにいれば魚は餌を食べやすいか。ということから推理し、場所を絞ります。そして、自分の影が映らないように水面を覗き込むという方法です。
日本と同じじゃねーか!と思われるアナタ!その通りです(笑)。
ただ、付き場が違うみたいなんです。
馬部さんは、ヒョイヒョイと覗き込み、魚を見つけます。魚の付き場も教えてくださいました。
う~ん、ヤマメとは随分違うようですな・・。(当たり前か・・)
大分、目が慣れてくると、僕にも見つけられるようになりました。でも、最初はどうしても流木を魚と間違ってしまったりして・・
そして、実際にアプローチ。
重いニンフを2つ取り付け、魚の真後ろから投げます。一投目で決まれば間違いなく食ってきます。
でも、これが意外と難しい!あれっ?そこじゃないのに!あれっ・・の繰り返し。
空気抵抗だらけのシステムは、今まで軽くて投げやすい日本のそれに慣れていた僕にとって、とても難しいものでした。
でも、やはり、これにもコツがあるようでして、まず最初に下流へロールキャストでラインを流し、ターンし切ったら、そこからフォルスをするという方法をとると楽でした。
変に無理してフォルスをしますと、絡まるだけなんですよね~。ちょっとは、マシになったようです。
小さくて黄色い花が、たくさん咲いてます。
大きな木の下にポツポツとあり、青い空、見渡す限りの緑の世界にかわいいアクセントをつけています。
しばらく練習を繰り返しながら、進むと、8mほど先でライズをしているニジマスがいるのが見えました。対岸の沈み石の上に乗っかって悠々と餌を食っています。
ドライでいけそうです。
インジケーターを外し、ソラックスダン#14に替えました。
よっしゃ、ドライなら任せろ!
ラインを下流に流しておき、まずは距離を測ります。
できる限り、一撃で決めなければなりません。魚は臆病で賢いですから。
気合いのキャスト・・
おっ、うまいこと流れています。
鼻の先が尖った魚が浮かんできました・・
背筋がゾクリ。
深緑色の尖った鼻が水面からニョッキリ飛び出し、ゆっくりとフライを吸い込みました。
呼吸が止まります・・
ひと~つ・・と数えてから、バシッとあわせました!
ザバ、ザバッ・・ギュイ~ン!!!!!!
ニジマスは、食べたはずの餌が、突然自分を引っ張っていくことに恐怖を覚えたようでした。
物凄い力で暴れまくり、一気に下流へと走ります。サイズは、45cmほどのようです。
そして、ジャンプ。
その瞬間、手前に突っ込んできました。リールでは間に合わないので、手で手繰ります。
今度は、上流へ走り始め、慌てて手繰ったばかりのラインを出していきます・・
散々、引っ張りまわされた挙句、プンッという感触と共に竿が軽くなりました・・
逃げられたようです。
くそ・・
次があるさ!張り切って釣り続けましたが、30cmほどのニジマスが一匹釣れただけでした・・
さらに歩き続けます。今日は、歩いてばかりです。でも、この歩くだけというのが結構、楽しかったりします。いつどこで大ニジマスに会えるのだろうか、とドキドキできるからです。
いました!
大きなニジマスが2匹並んで、流れてくる餌を食べています。
サイズは55cmといったところでしょうか。
馬部さんにお手本を見せてもらうことになりました。
少ないフォルスで、見事フライは鼻面へ送り込まれました。
しかし、食わない!?
どうやらフライがあわないようです。
一発で決まって、食わない場合は、フライパターンを替えると良いと習いました。
今度は、派手なフライを止め、地味な#16のフェザントテイルにチェンジ。
ぽちょんと、着水し、流れていきます。
白い口が水中でモゴモゴと動くと、インジケーターが止まりました。
ヒット!
さあ、これからが大変です。
巨大なニジマスは、元気一杯に走りまくります。
しかし、必死の抵抗もむなしく、ネットに収まりました。
すんごい魚体!
こりゃ引くわけです。
牛どもが、わらわらと集まってきました。
最初は、一頭だけだったのが、徐々に増えて、こんな数になってしまいました。こいつら飽きもせずにずーっと見てるんですよね。
面白いっす。
こいつは、悪名高いブラックベリー。ウエダーの天敵です。しかも、これの嫌な所は、枯れてもなお、その性質の悪さを失わないことなのです。
触れると、ぶすっと痛いので注意。
かなり歩いてのアプローチであったので、早めに戻り、帰りがてら気になっていた別の川へイブニングライズを狙いに行くことにしました。
到着した頃はすでに薄暗くなっており、虫はバンバン飛んでます。
ライズもちょうど始まったようでした。
水深の浅い所には餌を待つ50cmクラスのブラウンが、スタンバってます。
3Xのティペットに#12のクリップルダンを結ぶと、なんと一投目でヒット。
逆光で鼻先が黒いシルエットとなって魚体が見えるのですが・・
でかい!!
こりゃバラすわけにはいきません。
慎重に手繰り、何とかランディング。55cmとかなりの良型でした。写真を撮りたかったのですが、暗かったのでやめておきました。フラッシュでビカッですものね。
馬部さんは、もちろん釣ってました。
11月1日
本日は、購入した家具類が家に届く日なので、おとなしく待っていました。
NZの人々は、大らかと言いますか、なかなか時間通りということがないそうです。
ひどい時には、「いや~ごめん。忘れたよ、ぺしっ。」ということも多いらしいです。
そう聞いていたので、のんびりしていたら、意外にも時間通りに到着。
朝ごはんを食べてすぐに荷物の搬入が始まりました。
ベッド、机、棚・・
段々、引っ越して間もない寂しい家がそれらしくなってきました。
午後は、時間が中途半端になってしまったので、ビールを飲みながら馬部さんと釣りの話で盛り上がり、気付けば夕方・・。そのまま晩飯を食べて本日は終了~。
11月2日
今日は、家で、溜めていたメールへの返信やHPをまとめて仕上げてました。さて明日はどこへ釣りに行こうか・・
僕の部屋から。三脚でセルフ撮影。
11月3日
この日は午前中、天気が悪く、夕方から馬部さんと先日、イブニングを楽しんだ川へ行きました。
白い雲が、次第に薄紅色に染まっていきます。
しかし、この日は魚の気配が全くありません。
どうやら先行者がいたようです。
よく見ると、あらら、足跡が一杯。
しょうがない、帰るかという時、向こうから誰かやってきます。
やあ!と片手を上げ、お互いに近づきました・・
「あれっ?日本の方ですか?」
髭を生やしたお兄さんが、サングラスを取って、聞いてきました。
はい!と、久し振りに家以外で日本語を使えたので、嬉しくて声が上ずってしまいました。
話を続けていて、びっくり。
出国前に某アウトドアメーカーの知人から、「そういえばT社(大手フライメーカー)のシンちゃんもロトルアに行くみたいだよ。連絡先が分ったら、教えてあげるよ。もっと前に紹介しとけば良かったね・・」と言われていたのですが、なんと世界は狭いことか、そのシンちゃん本人だったのであります!
ええ~!!
と、二人で驚き、そして笑いました。
狭い世界ですよね、ほんと。
座っているのが、シンさん。
釣りをしているのは、馬部さんです。
シンさんのフラットメイト(アパートの同居人。ワーホリメーカーは、個人で部屋を借りずに共同生活をすることが一般的)のトシさんは、現在、ロトルアのフライショップ「O‘KEFEES」で働いているとのこと。
おお、すげえ友達ができたぞう!
話し込んでいるうちに、すっかり暗くなってしまったので、再会の約束をしてシンさんと別れました。
それにしても、友達ができるというのは、なんと素敵なことでしょう。
早くトシさんにも会ってみたいです。
11月4日
釣りばかりでなく、たまには町へ出て、英語に触れてこよう!
ついでにトシさんに会いに行ってみよう!
まずは、パックインセーブというスーパーに車を停めて、(駐車料金をケチって)とことこ町を歩き始めました。O‘KEFEESはすぐに見つかったのですが、トシさんはいません・・
仕方なく、リーダーをひとつ買って帰りました。残念・・
O‘KEFEESの外観。
とことこ調子こいて歩きまくっていますと・・
方向音痴の僕は・・・
迷っちゃった。
またです、もういい加減にして・・我ながらウンザリ・・。
でも、ロトルアはこじんまりしていて、綺麗な町です。
マオリや、アジア(とりわけ韓国人)の方が多いように感じました。
なんとか辿り着くと、申しわけ程度にスーパーで買い物。
アスパラ、ミルク、オリーブ・・・
今はアスパラは旬であり、最高においしいです!10月くらいにNZへ来られるならば、是非とも一度は食べてみてください。アスパラ大好き人間になること間違いなしですよ!
ああ、今日はなんだか寒いや、早いとこ帰ろう。
愛車プジョーを駆って我が家へと向かうのでした。
家に到着し、晩飯の支度をしていると、玄関をノックする音が聞こえます。
来訪者が来るというのは、今まで無かったことなので、かなりドキドキです。
外には、髭のおっさんと、赤いシャツを着た小学生くらいの女の子がいました。
馬部さんとのやり取りを聞いていると、どうやら我が家の前にある広場に牛を放してもよいか?という内容のようでした。この国では、草に対する考え方は「財産」であるため、許可を得にきたようでした。
もちろん問題は無いので、快諾しました。
それらの他にも、世間話を延々と続けていたので、開いたドアからガンガン風が吹き込んできます。おっさんも女の子も、薄着で平気な顔をしています。
恐るべし、NZ人。
ようやく話が、終わるかな~という時。
今度は、奥さんが来ちゃったよ。
まじっすか?
あの~寒いんですけど。
おっさんは、「おう、じゃあ今度飲みにおいでよ」なんて言ってくれます。
お気持ちは、嬉しゅうございます。
ただ、今はこのドアを閉めさせてくだせえ。
それから15分後にようやく解放されたのでした。
ああ、寒いっ!
11月5日
今日は、馬部さんがオークランドで用事があるというので、僕一人で留守番。
久し振りの一人です。
でも、一人だとこの家、でかすぎるんです。
ああ、オンボロのアパートが懐かしい・・
そして、夜がやってきました。
結構、冷え込んできました・・
風は強く吹き、何だか気味が悪い感じです。
そして、
トドメの雨。
ぐああ~、すげえ寂しい。
ああ、早く馬部さん帰ってこないかなあ・・
11月6日
朝から釣りに行こうかと思いましたが、その前に洗濯や掃除をすることにしました。
一通り終わると、タイイングをしたり、本を読んだり。
静かな時間が過ぎていきました。
馬部さんの帰宅予定は3時だったので、イブニングだけ釣りに行こう!と準備をしていたのですが、その支度が整った後、電話がありました。
なんでも、予想以上に用事が手間取ってしまい、夜になるとのこと。
分りやした!
釣りに行ってきま~す。
というわけで、一人で近くの川へ行ってきました。
しかし、この日は遠くでライズが少しあるだけで不発・・
11月7日
暖炉で使う薪が少なくなってきたので、買出しに行きました。
ガソリンスタンドで借りたトレーラー一杯に積み込みました。これで夜の寒さをしのげます。
さて。
ここ最近、プジョー君の状態が最悪です。
パワステオイルが漏れまくっているからなのですが・・
自分ひとりではなく、お客さんも乗ることになるので、思い切って修理に出すことにしました。
ああ、お金が無い・・
見積もりをしてもらうと、なんと最低でも600$!(日本円にして3万6千円くらい)
はあ・・でも、車検に通らないと言うし、仕方が無い、直すか・・
車を預けると、次は赤十字のファーストエイド(応急処置)の講習会の参加申し込みをしてきました。仕事柄、お客さんの大切な命を預かるわけですから、必要なのです。
受付終了ギリギリに飛び込み、セーフ。
さあ、家に帰りますか。
その前にスーパーで買出しをすることになりました。
そこまでは、いつも通りだったのですが、馬部さんが手にしている食糧がいつもと少し違います。
なんでだろう?と思った時、とんでもない事に気が付きました。
ええと、今日は・・
お客さんが泊まる日じゃん!
そうです。
僕がこの家に来てからの初めてのお客さんです。
その方は、もう10年以上もNZを釣り歩かれている達人で、ガイドはつけずに単独で山ごもりをされるようなスペシャリストです。同時に馬部さんのお友達でもあります。
慌てて、食事の準備をし、部屋を片付けました。
よっしゃ、いつでも来てくだせえ!
そして、馬部さんが用事で少しだけ家を離れているときに、電話が鳴りました。
僕:「ハロー・・あれっ、もしもし?」
Gさん:「あ、本日予約しておりますGと申しますが・・今ロトルアの・・にいるんですけど、どう行ったらいいっすかね?」
と、言われましても、僕もロトルアには住み始めて間もないので道の名前なんて分りません・・
そのことを素直に告げると、直接、馬部さんの携帯に掛けてもらうことになりました。
すいません、ほんと。
おまけに緊張してしまい、わけの分からんことを話をしてしまいますし。
ああ~恥ずかしかった。
背中を向けているのはGさんです。
暖炉の前は暖かいですよねえ。
なんと、Gさんはルアーまで手作りです。
アワビを貼り付けたスプーンは、よく釣れそうです。
そのほか、アワビ張りのミノーも見せてもらったのですが、これがまた凄いんです。
11月8日
午前中で、Gさんは我が家を立たれ、タウポへ釣りに行かれました。
片付けなどの雑用を済ますと、町へ出ました。トシさんに会うためです。無事に挨拶を済ますと、釣り一緒に行きませんか?という話になりました。
おお、やっとトシさんに会えた!!しかも、一緒に釣りに行ける!
晩御飯は、久し振りにカレーにしました。
そのままですと寂しいので、贅沢にもカツをのせたのであります。
激ウマ!
というわけで、明日は、シンさん、トシさんと4人でトンガリロ川へ釣りに行きます。
11月9日
まずは、タウポという町で釣りの年券を購入。
以前、購入した券とは違う管轄の川なので、買う必要があったわけです。
値段は、66$(日本円にして約3900円)。
朝食は、コーンフレークだけであったので、ちょいと小腹が空きました。
ガソリンスタンドの隣にあった「バーガーキング」というハンバーガー屋さんでダブルチーズバーガーセットで空腹を紛らわせたのでした。
さあ、川に着きました。
でも、ちょっと歩かなければなりません。
みんなウエダーを履いたり、竿をつないだりと、まずは準備です。
川がでかい・・
ここトンガリロ川は、本来は遡上してくる大きなニジマスが釣れるので有名です。
でも、残念ながら今はその時期ではありません。
しか~し!今年は時期がズレ込んだらしく、なんとラッキーなことに未だに遡上モノが狙えるということなのです。
シンさんとトシさんは、先日とても良い思いをしたとのことで、今回、案内してもらうことになったのでした。
偏光グラスをかけてみると、おうおう、いるいる。
60cmを超す大きな魚から小さな魚まで。
でも、日中で天気が良いせいか、僕らの影を見るや一目散に逃げてしまいました。
早速、二手に分かれて釣り始めました。
僕は、シンさんと一緒です。
シンさんは、4月に入国した後、国内各地を釣り歩いただけあって、かなり釣り慣れてます。
目の前で、パパッと魚を釣ってました・・
うーん、恐るべし。
僕はと言いますと、どうも重~いニンフが上手く投げられずに、見当違いの所ばかりに落としてしまうので、釣れません・・
午前中は、一回だけ心優しいニジマスがフライを咥えてくれただけでした。バラシましたけど(泣)
お昼ごはんを食べ、場所を替えて仕切り直しです!
とりあえず、みんなして車に戻りました。
すると、なにやら人影が・・
黒髪・・
日本人?
すると、シンさんが突然「あれっ、Mさんでは?」
その方も、「あれ?シンさん?」
Mさんは、シンさんの友人であり、現在オークランドで働いているそうです。
これがまた本当、偶然に再会したようです。
スキーに来たらしいのですが、スキー場の都合で断念せざるを得なくなり、代わりに釣りでもしようと、トンガリロ川に来たとのこと。
世の中、なんと狭いのでしょう!!
さあ、Mさんをまじえて釣りをすることになりました。
少し上流へ車で移動しました。
そこには地元のおじちゃんが竿を振るっていました。
ダウンクロスにウエットを投げるという方法のようでした。
僕は、通称、トンガリロスタイルでアプローチをすることにしました。
写真のように大きなヤーンのインジケーターをフライラインとリーダーの結び目に取り付け、その先には重いニンフを2つ付けます。
一つ目のフライの腰にティペットを結び、それに2つ目を結ぶのです。
なぜ、インジケーターがこんな変な所に付いているかと言いますと、とにかく重い流れの底にフライを送り込む必要があるからなのです。
通常の取り付け方ですと、やはり効率よく底を取れないですから。
しかし、これがまた当然のことながら、よく根がかりします。
フライの消耗が早い早い・・
先行者がいたせいなのか、よく分かりませんが、場所を移動してからというもの、誰も釣ることはできませんでした。
そしてイブニングライズの時間がやってまいりました。
7時を回ると、ちらほらとカディスが飛び始め、ポツポツとライズが始まりました。
カディスパターンを持っていなかったので、適当にソラックスダンを結んで、ぽいっ。
すると、30cmほどのニジマスがバシャッ!
小さいのに強い強い!
#8ロッドがガンガン曲がります。
それを皮切りにライズ狙いの釣りでガンガンいけるようになりました。
でも、大きなのが釣れません・・
トシさんの話では、もう少し暗くなってからとのことです。
とっておきの場所を譲ってもらいました。ありがたや~。
そこでは、8時を回った辺りから、凄まじいライズの嵐が始まりました。
魚もかなり大きいようで、バシャッではなく、ドボ~ン!!という音と共に水しぶきが上がります。
それが、2メートル前とかでも起こるので、かなり興奮します!
9時近くになると、砲弾が降ってくるという表現がぴったりの凄まじいライズです。
ドボ~ン!・・・
どうやら水面を走り回るカディスを追っているらしく、ドライフライのナチュラルドリフトでは反応がありません。
そこで、なんかカディスっぽいウエットフライをつけてダウンクロスで流しました。
ゴツン!
明確な手応えと共に今までとは違う力強さが右手に伝わってきます・・
こいつはでかいぞ!
リールは、派手な逆転音を鳴らし、ロッドは大きくしなっています。
暗い中、遠くで僕のラインの先に付いていると思われるニジマスが跳ねたのが分りました。
せっせとリールを巻いて、ようやくランディングしました。
55cmほどの立派な魚でした。
写真を・・そんな余裕はありません!
水しぶきをあげるライズはまだ続いているからです。
新しい2Xのティペットに先ほどのフライを結び直して、再度キャスト。
数投目にまたまた来ました。
しかし、先ほどよりも少し力が弱いようです。
50cmとなかなかのサイズなのですが・・
針を外そうと、魚体に触れると、お腹から凄い勢いでイクラが噴き出しました。
なんだか、とてもかわいそうなことをした気がしたので、すぐさま水に戻しました・・
ごめんね・・
ライズは、尚も続きます・・
その後は、全て40cmほどでしたが、本日は数釣りを楽しむことができました。
ああ、釣りが終わると、体がとても冷えているのに気が付きました。
夢中になっている時は、気付かないものです。
さ、帰りましょ。
家に着いたのは、もう夜中・・
日が長いNZでイブニングの釣りを楽しむと、こうなっちゃいます。
11月10日
シンさんとトシさんが、「FISHING&GAME」といういわば漁協ですね、そこが主催する子供達のフライフィッシング体験のインストラクターのボランティアをやっているというので、遊びに行くことにしました。
緑あふれる綺麗な所で、子供達がインストラクターについてもらって竿を振っています。
釣り用のイケス虹鱒だから大した魚じゃないだろうと、たかをくくっていたのですが、なんのなんの。女の子が持っているのは、めっちゃコンデションが良い魚です。
目の前で写真を撮っているのは、シンさん。
しかし、NZのフライフィッシング体験は、ここからが違います。
釣って、にっこりの後には・・
撲殺!
ええっ、C&Rを教えるんじゃないの?
と、皆さんは思われるかもしれません。
しかし、NZでは、鱒を食べることは当然のことなのです。
食べる分だけ、シメる。
無意味な乱獲はまったく意味が無く、魚を全滅させるだけだという、これまた当然の考えが深く根付いているようです。
釣り好きのタレントが言ってました。「NZの川は、20年前と魚影の数が変わらないんだよ」と。
子供達には、色々いるようで、釣りよりも撲殺を好む子もいれば、「なんで釣ったら殺さなくちゃいけないの?」という鋭いツッコミをする子もいるようです。
男の子に教えているのが、トシさん。
教える方も、教わる方も楽しんでやってます。
でも、朝から大勢の子供達を相手に同じことを繰り返すわけですから、かなり疲れたことでしょう・・
脱帽!
(写真手前は馬部さん)
シンさん。
彼ら二人に教わった子供達は、これからも釣りにハマっていくのかな?
南無阿弥陀仏。
夜は、仕事を終えたトシさんと馬部さんの3人で、我が家の近くにある川へと釣りに行きました。
トシさんが話していた通り、イブニングはたくさんのニジマスがライズしまくってました。
僕にも釣れましたあ~。
フライは、トンガリロで使ったウエット。
11月11日
今日も爽やかな朝です。
あっ、そういえば、そろそろ帰路便の予約変更をしなくちゃいけない時期だな・・
僕は、格安の一年オープンチケットなので、帰路便の予約が旅行会社の都合で適当に日付が入っているのです。
いつだったけ?
今、思い出したし、ついでに今日やっておこう・・
何気なくチケットを見て凍りつきました。
今日じゃん!
マジで!?・・!!!!!
ええっ、旅行会社の日程表には12月って書いてあるのに・・
まあ、そんなんいいや。とにかく急いで電話しなくては!
大韓航空のオークランドオフィスに電話すると、月曜日の朝ということで、電話がつながりません。
困った・・
しょうがない、奥の手だ。
本来の予約変更とは違う所へダイヤルし、係員に急ぎの用である事を告げることにしました。
片言の英語を駆使して、必死でコミュニケーションを図ろうとします。
「わたし英語よくわかりません。急いでいます。電話つながりません。だから、フライト変更しろ。速攻で。」
我ながら、すげえ強引です。
「インフォメーションの方へ掛けてくれ」とはっきりと聞き取れたのですが、聞き取れないフリをして、
「あん?」
と、言っておきました。
電話の向こうにいるお姉さんも、仕方なくつないでくれました。
よっしゃ、作戦大成功だ。
さあ、ここからも英語で予約を変更しなくてはいけません。
しかし、なかなか通じないものです。
僕:「今日のフライトを止めて、来年の10月にとりたいのだけど」
姉さん:「大丈夫ですよ。今日の便にはちゃんと乗れます。リコンファームは本当は72時間前にしてくださいね」
僕:「違うよ、違うってばさ。今日のフライトを止めて・・」
その後も、僕の片言の英語でやり取りが続きます。
でも、いい線までいくのですが、微妙にズレた回答をされます。
僕:「う~ん、困ったなあ・・」と、思わず日本語で呟き、しばらく沈黙してしまいました。
すると、お姉さんが・・
姉:「もしもし?」
あれ?
なんだ、日本語しゃべれるんじゃねーか!
その後は、スムーズに会話が進みました。
ああ、大韓航空のスタッフの方には、出国時から世話になってるなあ・・
感謝!
ふう、何とか一大イベントが済んだぞ。
海外初めての僕にとって、皆さんにとっては何でもないようなことが一大イベントになってしまうのです。
この日は、特に何もなく、過ぎていきました。
庭から見た空。
我が家の前にある広場。
ブランコがあるので、天気が良くて、時間があるときには、絶対昼寝してやる!と現在、計画中。
自由気ままに生きている隣人の馬。
乗りてえ・・
何だか中途半端ですが、今回はこれでおしまい。
あんまりまとめて書いてしまうと、ネタが無くなってしまうので・・。