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ぶらり東北行脚、ふたり旅

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2004年6月13日~6月20日

ただいま、29歳。
死ぬまでに、あと何回さすらえるんだろうって、ふと考えました。
計算がメンドーなので止めました。

下道を走ると、多くのことが見えてきます。
大都会を抜け、次第に田舎になって、幾つもの町を抜ける。
途中、疲れ果ててコンビニでお茶とお菓子を調達。
ひんやりした空気が頬を撫で、

「ああ、今、俺は旅してるんだ」

って気分に浸れる、最高の旅「さすらい」。
もうすぐ朝がやってくる、そんな微妙な時間。
遠くへ行くんだっていうワクワク感。

これだから旅は止められません。
僕は死ぬまで、さすらいを楽しむことでしょう。

6月13日

前回の釣り行脚で物凄く久々に釣り魂に火がつきました。
ここ数年は、ガツガツ釣らず、マイペースで楽しんでいましたが、どういうわけかムラムラきちゃいました。


釣りまくるしかありません。

人間、我慢は禁物です。
というわけで、1週間ほど釣り歩くことにしました。
友人の小泉利郎さんも休みが取れたようで、一緒に行くことにしました。

「小泉さん、でも、下道・車中泊で行くけどいいよね?」
有無を言わさぬ言いようです。

「うん、いいよ」
快諾。

よし、行きますか!
今回は、大きな車に乗っている小泉さんの車で出ることになりました。
僕は、静岡より電車に乗って待ち合わせの新横浜駅へ向かいました。

もちろん鈍行で。
快適なのもいいけど、楽しまなくっちゃ!
学生みたいな旅はマジで楽しいのでお薦めです。

70リットルのザックにロッドケース、ウェーダー袋を持ってヨロヨロ歩いている姿は、かなり注目度高いです。
老夫婦に「どこへ行きますの?」と聞かれたので、熱海に着くまでの間、色々とお話をしました。

例によって方向音痴の僕は駅の構内で迷い、ようやく新横浜駅に到着しました。
迎えに来てくれる小泉さんを待っていると、近くを凄く悪そうな兄さんが携帯電話で話をしながら歩いてきました。

「そうなんすよ、ケージの奴、パクられてるんすよ。え?はい、クスリです。え~はい、あ、そうそう、先輩の車、ナンバー変えたほうがいいっすよ。足がつきますから…」

とんでもなく物騒な会話です。
都会は怖いです。
あ~早いとこ東北行こうっと。

小泉さんと無事に合流を果たし、買出し、その他の準備を終えると、夜の8時に出発。
ナビの表示では到着予定時刻は翌日の午後5時。
大概の人は、これでビビッてしまうでしょうね。
実際はそんなに掛かんないですよ。

大都会東京を抜け、埼玉、栃木、福島、山形…。
運転を変わりながら順調に距離を稼いでいきました。


出発後のノリノリな僕

山形のコンビニにて。
確か明け方の3時くらい、だったような…。

6月14日

最後の運転は僕の番でした。
雫石の道の駅に到着したのは、午前9時ジャスト。
ナビに勝ったぜ。

たった13時間です。
意外と早く着くと思いません?

コンビニで昼飯を買い、釣り券をガソリンスタンドで買うと、まずは志戸前川へ。
本日は雫石界隈をやるつもりです。

初日なので、さっと軽く流すだけにしようぜと思っていたのですが、ついつい本気モード。
しかし、この川では小型が中心。なので、葛根田川へ移動することに。

美しい森の中を流れる渓流。
個人的には大好き。
ヤブも大好き。

あ~暑い。
梅雨の中休みということで、天気は良好。
でも、暑い・・。

魚も弱っとるだろーなーと思いながらも釣り開始。
いつもだったら、ビール飲んで寝てますが、今回の僕は違います。
珍しく、炎天下の川原に立ちました。

入渓ポイントよりも少し、下流に下ったのが正解のようで、竿抜けポイントからビシバシと魚を引き出しました。

水から上げると、あまりの暑さに煮魚になりそうなので、水に浸けて撮影。
平均サイズは大きめで、真昼間から楽しめました。
めでたし、めでたし。

先行してもらっていた小泉さんは不調な様子。
相当、叩かれているのか、ちっとも反応してくれなかったようでした。
移動疲れもあって、イブニングまで昼寝をすることにしました。

上流部の涼しい木陰までドライブ。
あとは、グーグー。

さて、イブニング。
釣り人は誰もおらず。

日中、ダレていたイワナ君たちが、食事のために出てきました。
大きな虫がいっぱい飛んでいたので、フライは#10のソラックスダン。

やはり夕方の方が型がいい・・。
平均サイズは27cmほどでした。
素晴らしいです、岩手って。

こいつは小振りな方?(なんて贅沢な)

ヒゲナガが出始めたので、フライを#8のエルクヘアカディスに替えてフラッタリング。
一発でヒット。

大きなイワナが釣れました。
バンザイ。

みんな橋から入ると、必ずすぐに上流へと向かうようです。なので、橋より下は大抵、竿抜け。

読みは的中。

小泉さんも、堰堤下で大きなイワナを釣りました

初日から、2人とも良い釣りができたので、お祝いじゃ!ということで、本日はコンビニ弁当でゴージャス気分。

道の駅にある温泉に入り、サッパリした後にビールとご飯。
あ~生きていて良かった・・。
幸せ。

高校時代から愛用しているジャージ。
ビールをゴクゴク。

幸せ。

小泉さんは、フライのストックが無いということで、タイイングを開始。

手元が暗いので、ヘッドランプ装着。
ようやりますわい。
と、眺めていたのですが、僕もつられて開始。
アントを数本、巻きました。

ここは、道の駅です。
駐車場でタイイングです。

ある意味、幸せ。

旅行用により分けて持ってくるとかではなく、そのまんま道具一式を持ってきた小泉さん。

あなたはエライ。


小泉さんの車は大きいので、僕ら小柄な人間ならば2人とも足を伸ばせて眠れるのでした。

ああ~吸い込まれるっていう感じ。
移動疲れ、初日の高揚感。
お疲れ様でした。

特に小泉さんは、下道旅行は初めて。それなのにいきなり東北はきつかったようです(笑)。

6月15日

ぐっすり眠って、起きたら7時。

爽やかな朝です。

朝食は、さすらい朝食メニューである「お粥」。
100円ショップにあるし、朝からお腹一杯になれます。
僕は梅味。

本日は、まず生保内川。
しかし、先行者が多く、釣る気ゼロ。

疲れが出たのか、小泉さんの元気が無い。
よっしゃ、元気が出る川へ連れて行こう。
小泉さんが好きな先達川へ。

温泉が近いせいか、石と水の色が独特な玉川水系の河川。
魚は多く、大きめです。

小泉さんが大イワナをキャッチ。
2年前、バラシたリベンジを果たしました。
おめでと~。

僕は、とびきり大きなイワナは釣れませんでしたが、それなりに良い型。

幸せ。
フライはアント#12。

それにしても、スレていました。
一発で食わないし。

流芯などヤマメのポイントからしか反応しませんでした。
巻き返し、岩の陰には不思議とついていませんでした。

ちょっと今日は一雨来そうです。
「小泉さん、明日はどこへ行く?」

「任せるよ~」

「じゃ、阿仁川水系やろうよ。じゃあ寝床は、道の駅 阿仁に決定。」

道中、食材が買えそうな所が無いので、少し戻る感じで田沢湖の町へ。
野菜などを物色していると、うまそうなお惣菜発見。
しかも、夕方で半額。

ためらわずにカゴへ。
ちゃんと作るつもりだったんだけどなあ(笑)。

ここまで来たし、大好きな雫石の温泉へ行こうということになり、いつもの温泉へ。
500円也。

温泉に入って、飯を車内で済ませると、休むことなく阿仁へ。
あ~ロングドライブ。

到着後、即寝。

6月16日

昨晩は、ちょっと雨が降ったので天気が心配でしたが、なんてたって僕は晴れ男。
快晴です。

まずは、打当川へ。
以前、地元の人に「いいよ」と勧められていたポイントへ向かうと、なんと禁漁区。
おいおい、ルールは守ろうよ!

温泉で釣り券を買い、オバサンにいい場所無い?と尋ねると、慣れた感じで、
「本流は釣れないので、支流へ行った方がいいですよ」とのこと。

適当に走ると、支流が見つかったので、上流へ。
ムチャクチャな藪漕ぎに小泉さんを付き合わせると、僕の大好きなヤブ沢へ。

さすがに誰もやろうとも思わないようで、モロに竿抜け。
尺モノこそ出ませんでしたが、25cm以上のイワナ、ヤマメが元気に出てきてくれました。

ロングリーダー派の小泉さんが気の毒だったので、ヤブ沢は早めに切り上げて他の川へ。
比立内沢へ行くことに。

でも、その前にお昼ごはんね。

さすらいの定番メニュー。
川ざる蕎麦。

川の水で麺を茹でて、流水で冷やす。
美味。

空腹にものをいわせ、500gの乾麺を一気に頬張る。
夏はやっぱり、川蕎麦にかぎりますぜ。

あ~腹いっぱい。

比立内沢。

入渓が楽な分、少々、場荒れの感。
でも、誰もやろうと思わないようなヤブ下には、なかなかのイワナ。
これだからヤブ沢大好き。

イブニングは、適当に走らせ、魚券の管轄内で適当な入渓。
大物出ず。
無念の内に納竿。

今日は、今ひとつ大きな魚が釣れなかったし、明日は景気付けに葛根田へ行こうと決定。
なので、またもや大移動。

大好きな雫石の道の駅へ。
温泉もいいし、駐車場も静か。
暮らすならば、絶対にここはお薦めです!!

国道沿いのスペースが特にお薦めです。

のんびりと温泉に浸かり、ビールを飲んで、さあ晩飯です。
本日は、パスタ。
昼に蕎麦。麺ばっかりやなあ。

茹で過ぎ。

少々、茹で過ぎたようです。
食べ切れなかったので、明日の朝食に。

盛り付け。
僕は、手前のコーンクリームスープ味。

今夜の寝床は新しい試みとして、仮眠室にすることにしました。
なんと雫石の道の駅には仮眠スペースがあります。
畳と簡易ベッド(ベッドっぽい長椅子)があるので、これは快適。

ただ、観光案内テープが24時間流れているので、少々、うるさいですが。
それさえ除けば、空調が効いているし、最高です。

PS.寝る前に本日もタイイングしました。

6月17日

朝、起きて、ボーっとしていると、見事な白髪のおじさんが話しかけてくれました。
「眠れた?どっから来たの?」

「はい、ぐっすりと。僕は静岡、彼は横浜です」

「そう!俺は愛知だよ。ずっと、下道で旅してて、来月には北海道へ上陸するんだよ」

似たような人間がいるものだ(笑)。

人魚姫って呼んでくだすっても、よくてよ(笑)。
奥には、テーブルがあって釣り人軍団が作戦会議をしていました。

とりあえず、朝飯。
いつものお粥です。

道の駅近くにある、馴染みのガソリンスタンドへ。
ガソリンと釣り券調達。
「おじさ~ん、こんにちは。今はどこが釣れてます?」

「いや~今はダメだね。沢に入んなよ」

ということで、すぐ近くにあるアズマイ沢へ。
ヤブは多いものの、魚はそれなりに残っており、マズマズ。
しかし、すぐ上流にフライマンを発見。

仕方ないね、戻ろうか。ということで車へ。
やっぱ葛根田行くしかねえでしょ、ということになり、向かいました。

ちょっとポイントを開拓しようぜということで、怪しげな林道を狙っては果敢に攻めていきました。
事件が起こるとは知らずに…。

随分と細い道に入ったので、小泉さんに運転を代わってもらいました。
「小泉さん、そっちへ行ってみようよ。」
と、かなり怪しい道を指差しました。

「え~でも、大丈夫かな?」

NZでは100倍凄い所を普通車で走りました。
屁とも思いません。

「こんくらい大丈夫っしょ!」

これが命取りでした。

ガリッ!ドゴン、バッコ~ン!

確かな手応えを感じました。
おまけに行き止まり。
小泉さんは、真っ青になって飛び降りました。

異音もします。
さすがに僕も血の気がひきました。
やべえ、人の車でやっちゃったよ…。

どうやら草に隠れていた切り株にダイレクトヒットしたようです。
底に甚大なるダメージが刻まれていました。

幸い、動きます。
何とかUターンし、国道に出ると、JAFを呼びました。
僕は、反省モードで凹み気味。

50分後、JAFのおじさんが到着。
レッカーしたがっていましたが、自走したいので応急処置をしてくれと頼みました。
ジャッキを持ってこなかったJAFのおじさんは、汗まみれになって潜り込み、プロペラシャフトに干渉している剥げたプラスチックカバーを除去。

最悪の状態は免れたようですが、でも参りました。
自分のならまだしも、人の車だし。

僕が「あっちへ行こう」と言わなければ…。

小泉さんは、「やっちまったものは仕方ないよ。修理代は折半すればいいからさ。今は、気分転換に釣ろうよ」

うう、ありがとうっす。
とても釣りどころじゃないですが、小泉さんの言う通り、クヨクヨしても仕方がありません。

ふた手に分かれて開始。
真昼間の暑い時間でした。

釣れない。
それにしても釣れない。

事故で気が滅入っている割りには、いつもより的確にポイントを捉えています。
でも、無反応。
そのまま2時間くらい全くの無反応。

いつもの僕ならば止めてビールを飲んでいるところですが、今回は頑張っちゃいました。
というより、無心に竿を振り続けていました。
すると、止めようかな?と思った辺りから急に釣れ始めたのです。

おそらく、みんな同じような所で挫折するんでしょうね。
そのまま続けてよかったです。

出るのは、最低でも25cm。
このイワナは立派な体格でした。

釣れる、釣れる。
事故ったけれど、その分、最高の釣り。

次から次へと、魚が飛び出しました。
真昼間のドピーカンなのに。

快進撃が続きます。
このまま1人でやるのは勿体無い気がしたので、小泉さんを呼びにいきました。
堰堤の前で寝そべっています。

最初、少し釣れただけで後は無反応。
仕方ないからイブニングまで堰堤の下で待つことにしたようです。

僕の釣果を話し、上はまだ半分しかやってないから行こうよ、と誘いました。
堰堤下では、数匹釣ったら終わりですが、上流部ならば、まだ望みがあります。

というわけで、上流へ。
お薦めのポイントではライズまでしてます。
その魚をパパッと釣ると、上流へどんどん向かいました。

そして、イブニングには大きなイワナをキャッチ。

ちょっと大物への感動が薄れつつある小泉さんは、さっさとリリースしようとしました。
「写真撮らないの?」
「え?だってそんなに大きくないもん」

「尺あるって!」
「あるかなあ~?」

「あるって!」
「そう言われると、そんな気がしてきた」

「だからあるって言ってんジャン!」

計測すると、尺イワナであることが判明。
車が壊れて散々だったけど、釣りは最高でした。

明日は、閉伊川へ行く予定です。
これから道の駅「区界高原」を目指します。

でも、その前にお風呂ね。
近くに玄武洞温泉があったのでGO。

ただ、ちょうど温泉は工事中だったので、お湯は普通のお風呂になっていました。
その分、オバちゃんが半額でいいよ、と言ってくれました。

オバちゃん、ありがとう!

さあ、盛岡を抜けて閉伊川です。
この日は暗くなるまで釣りしたので、ヘロヘロです。
到着予定時刻は10時だったので、今夜は外食することにしました。

ビックリドンキーへ。
僕はチーズハンバーグの400g。
小泉さんは、「草履みたいだね」って笑いました。

道の駅に着くと、バタンキュー。
深い眠りに落ちていきました。

6月18日

区界高原の道の駅で朝を迎える。

雫石と違って交通量が多いので、少々、寝づらいです。

隣のコンビニで昼食と釣り券を買い、気に入っているポイントへ。
必ずでかいイワナが釣れるポイントがあるので、小泉さんをそこへ連れて行きました。

しかし、大物は少々スレ気味のようで、ちゃんとフライを食べません。
その分、25cmくらいのイワナがたくさん釣れました。

そして、本命のポイントへ。
水量があるので、渡渉が辛いですが、望みがあります。

例年よりも渇水気味で、底石にべっとりとヌルがついています。
水圧はいつもより甘いですが、滑りやすく、数回転んでしまいました。

ここでも、魚はスレ気味。
尺越えも何度か姿を見せましたが、口を使わず。

とりあえず、大きなイワナは釣れたのですが、思うように釣れなかった悔しさは残りました。
まあ、また今度来ればいいだけのことです。

友人からメールがあり、台風が来てるから早めに帰ったほうがいいよ。というアドバイス。
十分釣ったし、帰ることにしました。

最後の夜は、どこがいい?
という問いに2人揃って、

「雫石あねっこ!!」

すごく遠回りでしたが、わざわざ雫石に戻ったのでした。
最後の夜に乾杯。

6月19日

いつもと変わらぬ爽やかな朝。
でも、少し霧雨が降ってきました。

帰ろうか!
家へ。

それから僕らは再び下道をひた走り、帰ったのでした。

東京は渋滞ばっかりでイヤじゃあ~~。